この記事は、こんな人のために書きました。
- 働きながら勉強する時間を取れない
- 効率良く勉強したい
- 少ない勉強時間で合格したい
私は、保育園で栄養士として勤めながら保育も経験し、トータル20時間ほどの勉強で合格しました。実際はもっと少ないかもしれません。
なぜそんな勉強量で合格できたのか、その方法をこれからお伝えします。
ちなみにこの方法では、毎日何時間も勉強して隅々まで頭に入れているような人には敵いません。
そして合格を保証するものでもありませんし、ましてや一発ともなると厳しいです。
あくまでも、
少ない勉強時間で効率良く合格するための方法
ですので、その点をご理解頂いた方だけ、この先へお進みください。
それでは参ります。
目次
過去問題集だけでいい
なぜ過去問なのか?
「なんだ普通じゃん」と思いましたか?しかし、なんだかんだ言ってもやっぱり一番の勉強法は過去問題集を解くことなんです。
なぜなら、過去問考えに考え抜かれているから。
試験問題を作るのは本当に大変で、キーワードを変えるだけで済むならそうしたいんです。
実際にはそういうわけにはいかないので、作成者は毎年アタマをひねるのですが、
保育士として必要とされる基本的な知識を持っているか
を問うために作られている以上、逆に大きく変えるわけにもいかず、つまり過去問を見れば大体の傾向をつかむことができます。
3回分を軽く1周でOK
「5年分を3周」くらいが定番(?)かもしれませんが、そんなに時間は取れません。
そして今は地域限定試験も加わり、年1回ではなくなりました。
3回分を軽く1周やればOKです。傾向や雰囲気をつかむことが主な目的ですから。わからなかった問題だけを後からインプットします。(後述)
参考書は無くてもいい
参考書を読んだところで頭に入らない
そもそも、参考書を読んでどのくらい頭に入りますか?
時間をかけて隅から隅まで読んだところで、はたして何%が記憶に残るでしょうか。参考書なんてそんなもんです。
もし買うのであれば、
わからなかった問題に関して調べるため
に使ってください。
過去問題集で事足りる
どの過去問を使うかにもよりますが、大体の問題集には後ろの方に回答と解説も付いています。
それでじゅうぶん!
足らないと思えば参考書を使っても構いませんが、いまはネットでなんでも調べられますし、その方が参考書よりも有益な情報を得られたりしますから。
勉強の順番が逆になっていないか
先に問題集を解いてから調べる
よくある勉強法として「まず参考書を読んでから問題集を解く」と書いてあったりしますが、それは逆です。
先に問題集を解いてから、わからなかったものを調べる。
これが正解。参考書を先にすると読むことに時間をかけてしまい、効率的ではありません。
あると読んでしまうのなら、無い方がマシです。
先に答えを見た方が頭に入る
保育士試験に限らず、この勉強法はどんなものにも応用できます。試しにやってみてください。先に答えを見ちゃった方が頭に入りますから。
みんな逆の形に慣れてしまっているんです。日本語って、説明や背景をつらつらと述べて一番最後に結論がきますよね。
しかし、それは効率的にも理解度的にも良くありません。
たとえば、
今日〇〇くんが公園で砂遊びをしていると、隣にいたお友達がケーキを作ってくれて、〇〇くんもマネしてケーキを作ったり一緒に食べたりして、とても楽しそうでしたよ。二人で笑いあっていました。
今日〇〇くん、公園でとても楽しそうでしたよ。お友達がお砂でケーキを作ってくれたんです。〇〇くんもマネして作ったり一緒に食べたりして。二人笑いあっていました。
わかりますか?
まぁこのケースは表情やニュアンスで「あ、いい話だな」ということは伝わるとは思いますが、どんな話かわからないまま聞くと、内容に対して余計な想像をしてしまいます。
先に結論を知っていると、「どんなふうに楽しかったんだろう」と楽しいイメージに集中できます。
今日、動物園で飼育員が世話をしていたところ、ライオンが突然暴れだし、オリから町へ逃げ出して現在も捕獲されていません。
ライオンが町へ逃げ出しています。現在も捕獲されていません。今日、動物園で飼育員が…
この場合も、まず結論から話すべきですよね。
このように、行動学の面から見ても先結論式は非常に有用であることがわかります。
つまり、考えてもわからない問題を解くよりも、答えを見てから「なぜなら」を学んだ方が、効率が良く理解も深まる、ということです。
記憶のコツは「映像と余談」
映像で記憶する
人間の脳は、文字よりも映像の方が記憶されやすいようにできています。
たとえば、
イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになる。
という文字列に対し、
ヒドイ絵ですが(笑)、これだけを思い出せばモンテッソーリに関する情報が一発で出てきますよね。(ちなみに左上はイタリアです)
パッと一目で覚えられる&思い出せるので、時間も労力もかかりません。
▼実際に私が書いたノート▼
文字も書いてありますが、それも含めて映像として記憶します。
こんな感じでノートを書き始めたものの、9ページほど書いたところで終了。メモ帳でじゅうぶんでした。
余談で記憶する
学校の授業中にどうでもいい話をする先生がいませんでしたか?実はアレ、記憶を呼び起こすために大きな役割を果たしているんです。
例えば、
モーツァルトは変態だった
とか聞くとインパクトも大きく、「ああ!変態の人!」と思い出すきっかけになります。
インターネットで調べると参考書には載っていない話も見つけられますし、作り話でもなんでも自分が思い出しやすいようにしてみましょう。
重要なことだけを集中して覚える
ふるい落としの問題と戦わない
試験問題には、
- 基本的な問題
- ふるい落としの問題
ふるい落としの問題というのは、ちゃーんと勉強している人しか点数を取れないような問題です。だってみんな合格しちゃったらマズイですから。
で、もちろんそういった問題のために知識をつければ合格する確率は上がるわけですが、そんな時間はありません。
そもそも問題に出なかったらそれこそ時間の無駄ですし、かといって完璧に覚えるなんて無理です。
だから戦いません。これも戦略。
60点ギリギリを目指すべし
確実に60点を取るためには80点を目指せ。
これもよく聞きますが、80点は結構大変なので60点でいいです。60点取れば合格なんですから。
という声が聞こえてきそうですが、60点満点の60点というわけではありませんし、勉強していないところからも点は取れます。
重要なことだけを集中して覚える
仮に重要度を高い順にABCの三段階に分けるとします。
もっとも重要度の高いAが「選択肢にも出てこない」という問題はありません。もちろんCだけで構成される問題もありません。
重要なことだけを集中して覚え、「選択肢1〜4は知ってるけど当てはまらない、5は知らない、じゃあ5が正解」というような知識の使い方をします。
このへんは過去問で感覚をつかむと良いでしょう。
勉強しなくても解ける問題がある
誰が見てもわかる問題が必ずあるんです。
たとえばこの選択肢。
食べすぎと運動不足は、肥満の主な原因となる。
(平成30年筆記試験:前期、子どもの保健:問5)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
こんなの当たりまえじゃないですか。もちろん○です。
一般的に考えてわかる問題もあれば、保育経験のある方なら常識という問題もあります。
すぐにX君の両親に連絡し、保育所に呼び出した上で、「子どもを叩いたり蹴ったりするのはいけないことだ。」と厳しく指導する。
(平成30年筆記試験:前期、児童家庭福祉:問17)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
すぐに保護者を呼び出して厳しく指導するなんてことはありませんよね。
このような問題や選択肢がしばしば見られるため、まったく勉強しなくてもある程度の点は取れてしまうんです。
マークシートの選択式という試験形式を最大限に利用しましょう。
その他のテクニック
×にしやすい文章の表現
強い断定や極端な表現は×のことが多いです。というかほぼ×です。
介護支援専門員は、「介護保険法」に基づく専門相談員で、介護保険施設、地域包括支援センター及び訪問介護事業所に必ず配置されなければならないと、定められている。
(平成30年筆記試験:前期、社会福祉:問7)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
この選択肢で引っかかるのは「必ず」という一言。
K君の対応を、愛着対象である自分にすべて任せてほしいと施設長に申し出る。
(平成30年筆記試験:前期、社会的養護:問9)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
この選択肢ではどこが引っかかると思いますか?
「すべて」という一言ですよね。
わからなくて困ったときは、このような選択肢は×にしましょう。
○にしやすい文章の表現
逆に「これは○だな」とわかる表現もあります。
K君の言動を家族との関係から捉えて考えてみる。
(平成30年筆記試験:前期、社会的養護:問9)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
「考えてみる」という表現がポイントで、これが「考えるしかない」というような表現だったら×なんですよね。
相談援助(ソーシャルワーク)において、自己決定は最も重要な原則の一つである。
(平成30年筆記試験:前期、社会福祉:問12)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
どこがポイントかわかりますか?
「一つである」ですよね。こういう表現は○です。もし「重要な原則は自己決定のみである」だったら×。
なんとなくわかりましたか?ちょっとボンヤリしていてわかりづらいかもしれませんが、これも踏まえて過去問を解いてみてください。
保育士が仏様や神様みたいだったら○(笑)
具体的には、
母親が引き取りを希望する理由や母親の生活の状況について、母親の気持ちに寄り添いながら話を聴く。
(平成30年筆記試験:前期、社会的養護:問10)
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会
寄り添うんです。どんな子どもや保護者にだって、その気持ちに寄り添い支援していくんです。
この選択肢が×なわけないじゃないですか。
選択肢のパターンで絞り込む
これはかなり有用なので、公開して良いものか悩んでいます。
というのも、問題作成者の目にふれることで対策を取られてしまうかもしれませんし、大人の事情が発生する可能性もあるからです。
まぁそれも計算済みかもしれませんけどね。
今のところ、まとめて別ルートで公開する予定です。
ユー●ャンとかお金の無駄
よく考えてください。
たとえば某ユー●ャンだと約6万円、受験料4.5回分ですよ!
そもそもテキスト9冊にその他もろもろ副教材とかイラナイですから!
一発で合格できるなら投資したかいがあるでしょう。しかし3回目までかかったとしたら?ユー●ャンと合わせて出費は受験料7.5回分。
ニコイチや食になると再受験に来た人達がドドっと増えますが、そんな人に限って講座の分厚い本を何冊も抱えているように見えました。
それなら独学で勉強して3回で受かればいい。
一発で合格することだって可能です。
保育士試験対策としていろんな講座がありますが、よーく考えてから申し込んでください。
まとめ
以上、できるだけ短時間で効率良く合格するための手法でした。
もちろん個人差がありますので、10時間の人もいれば50時間の人もいるかと思います。
私の場合は、栄養士なので「食」は勉強ゼロ、音楽も元セミプロ、保育経験からくる知識だけでほとんどの問題は解けてしまい、まとめて勉強したのは「保育原理」と「教育原理・社会的養護」くらいでしょうか。
背景としてかなり恵まれており、また運も良かったと思っています。
しっかり勉強して合格した人には敵いません。そして資格を持っているだけではダメです。
しかし、資格が無いとできないこともあります。持っているだけで役に立つこともあります。
大切なのは、資格を取ってから自分がどれだけ努力を重ねられるか、学び続けられるかです。
ギリギリでも合格は合格。そこからまたスタートして進んでいきましょう。
ちなみに私が使用した参考書と過去問題集は、成美堂出版の本。
とても見やすい&わかりやすく、栄養士関連の本も持っています。
基本的には過去問題集だけあればいいと思います。不安な方は参考書もあって損はないかもしれません。
折りを見て実技編も書きたいと思います。
科目別の攻略法も需要があればどこかで公開したいですね。
それでは検討を祈ります!